あいち相続ひろばの野々山です。
相続手続において、不動産を複数所有している方にとって最も悩ましいのは「相続税の負担」と「不動産評価の正確性」です。特に、自宅や実家、賃貸用不動産など複数の不動産を相続する場合、評価額の誤差が相続税額に大きく影響し、相続人間のトラブルにつながることもあります。
本記事では、不動産鑑定士が相続手続に関わるメリットについて、具体的な事例や評価方法を交えて解説します。記事を読むことで、相続税申告における不動産評価の重要性、節税対策のポイント、専門家を活用した安心な手続き方法がわかります。
この記事は、名古屋市郊外で複数不動産を所有し、相続税負担や評価ミスを避けたい中高年の方に向けて作成しています。初めて相続手続に触れる方でも理解できるよう、平易で具体的な内容を意識しました。
相続手続における不動産鑑定士の最大の役割は、適正な不動産評価を通じて相続税対策を実現することです。ここでは、具体的なケースや活用方法を紹介しながら、どのようなメリットがあるのかを詳しく解説します。
相続税の課税対象となる財産の中で、不動産は評価額が大きく影響します。不動産鑑定士は、市場価格や土地の形状、利用状況を考慮して実勢価格に基づく適正評価を行います。
例1:旗竿地の評価
路線価では高額に算定されやすい土地も、鑑定士による評価で減額され、数百万円単位で相続税を節約できる場合があります。
例2:賃貸マンションの減価計算
賃貸収益を反映した評価により、課税価格を正確に把握でき、申告漏れや過大納税を避けられます。
相続税法には「小規模宅地等の特例」という減額制度があります。これは、居住用や事業用の宅地について評価額の一定割合を減額できる制度です。
不動産鑑定士は、どの宅地が特例の対象になるかを判断し、適用可能な範囲を正確に算定します。
複数不動産を所有する場合でも、特例の最大限活用によって節税効果を高められます。
例:自宅と実家の土地を合わせて評価すると、鑑定士による特例適用で数百万円の相続税軽減が可能です。
相続人が複数いる場合、不動産の分割や共有持分の調整が必要です。ここでも鑑定士の評価が役立ちます。
公平な市場価格に基づく持分評価で、相続人間の不公平感を軽減
売却や現物分割の判断をサポートし、遺産分割協議を円滑化
将来のトラブル防止として、鑑定書を証拠資料として残せる
不動産鑑定士による評価書は、税務署に対する説明力のある資料としても活用できます。
評価額に疑義が生じた場合でも、鑑定書を提出することで説明可能
過少申告加算税や延滞税のリスクを減らせる
税理士と連携して、申告書作成の精度を高める
不動産鑑定士を相続手続に関与させることで得られるメリットは次の通りです。
相続税の過大納税防止:実勢価格に基づく正確な評価で税額を最適化
節税対策の最大化:小規模宅地等の特例や特定財産の評価方法を活用
遺産分割の円滑化:公平な評価に基づく持分計算で相続人間トラブルを防止
税務署対応の安心感:鑑定書により評価額の正当性を証明可能
複雑な不動産でもスムーズな手続き:多物件・賃貸・特殊地形でも精度高く評価
高橋さんのように、複数不動産を所有して相続税が高額になるケースでは、早期に鑑定士の関与を検討することで、納税額の最適化と安心な相続手続が可能です。
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