あいち相続ひろばの野々山です。
相続手続において、不動産を複数所有している方にとって最も悩ましいのは「相続税の負担」と「不動産評価の正確性」です。特に、自宅や実家、賃貸用不動産など複数の不動産を相続する場合、評価額の誤差が相続税額に大きく影響し、相続人間のトラブルにつながることもあります。
本記事では、不動産鑑定士が相続手続に関わるメリットについて、具体的な事例や評価方法を交えて解説します。記事を読むことで、相続税申告における不動産評価の重要性、節税対策のポイント、専門家を活用した安心な手続き方法がわかります。
この記事は、名古屋市郊外で複数不動産を所有し、相続税負担や評価ミスを避けたい中高年の方に向けて作成しています。初めて相続手続に触れる方でも理解できるよう、平易で具体的な内容を意識しました。
相続手続において不動産鑑定士を活用する際は、依頼の手順や注意点を押さえておくことが重要です。正しい手順で進めることで、相続税の過払い防止やトラブル回避につながります。ここでは、名古屋を中心に複数不動産を所有する場合を想定して、具体的な流れとポイントを解説します。
名古屋市内には多くの不動産鑑定士事務所がありますが、相続税対策のためには実績や専門性を確認することが重要です。
確認ポイント
相続税評価に関する実績が豊富か
複数不動産や特殊地形の評価経験があるか
税理士・司法書士との連携体制があるか
依頼方法
相談予約を電話やメールで実施
保有不動産の資料(登記簿、固定資産税評価証明書など)を準備
現地調査や面談を経て評価額の見積もりを提示
鑑定書作成と報告
事前に相続財産の内容を整理しておくと、鑑定士の評価もスムーズに進みます。
不動産鑑定士は、評価対象の土地・建物の特性を確認した上で、**原則として「取引事例比較法」「収益還元法」「原価法」**のいずれかを用いて評価します。
取引事例比較法:類似物件の取引価格と比較して評価
収益還元法:賃貸物件や収益不動産の将来収益から現在価値を算定
原価法:建物の再調達費用から減価償却を差し引いて評価
必要書類の例:
登記簿謄本
固定資産税評価証明書
賃貸契約書(賃貸用不動産の場合)
土地測量図や建物図面
これらの資料を基に現地調査を行い、鑑定書が作成されます。
鑑定書を取得した後は、税理士と連携して相続税申告書を作成します。
鑑定額を課税財産に反映
小規模宅地等の特例や配偶者控除を適用
相続人間で分割協議を行う場合、持分計算の基礎資料として活用
このように、鑑定士・税理士・司法書士がワンストップで連携することで、手続きの精度と安全性が高まります。
不動産鑑定士を活用する際には、いくつかの注意点があります。
鑑定費用の確認
物件規模や複雑さによって費用は変動
事前に見積もりを取得しておくと安心
評価額の差異への理解
複数鑑定士に依頼すると評価額が異なることもある
税務署に提出する際は、理由と根拠を整理しておく
依頼時期の早めの検討
相続発生後よりも、生前に評価方法を検討すると節税効果が高まる場合がある
専門家との連携確認
鑑定士単独では申告や登記手続はできないため、税理士や司法書士とのスムーズな連携が不可欠
相続手続において、不動産鑑定士は不動産の適正評価を行い、相続税額の最適化や遺産分割の円滑化を支援する専門家です。特に複数不動産を所有する場合や評価額が高額になるケースでは、鑑定士の関与が節税やトラブル防止に直結します。鑑定士の作成する鑑定書は、税理士による相続税申告や司法書士による名義変更手続きの基礎資料として活用でき、手続きの精度と安全性を高めます。また、評価方法や依頼手順を事前に理解し、専門家と連携することで、申告漏れや過大納税のリスクも軽減可能です。名古屋で相続手続きを検討する方は、早めに不動産鑑定士を含む専門家チームに相談することが安心で効率的な相続の第一歩となります。
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