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コラム
2025.10.27

相続税対策としての保険活用と現金確保の実務 相続税納付資金をどう準備するか、事例を交えて解説②

相続税対策としての保険活用と現金確保の実務 相続税納付資金をどう準備するか、事例を交えて解説②

あいち相続ひろばの野々山です。

最近、「相続税の納税資金をどう準備するか」というご相談が増えています。
特に名古屋市内で不動産を複数所有している方の多くが、**「資産はあるけれど、現金が足りない」**という共通の悩みを抱えています。

相続税は原則として「現金一括納付」が求められるため、不動産が多い家庭では「納税資金の確保」が大きな課題になります。
そんなとき有効なのが、保険を活用した相続税対策です。保険を上手に使えば、相続発生時にスムーズに現金を確保し、納税や遺産分割を円滑に進めることができます。

この記事では、

  • 相続税の納税資金を保険で準備する方法

  • 不動産を多く持つ家庭での現金確保の実務

  • 保険・贈与・信託を組み合わせた相続対策の具体例

を詳しく解説します。
「節税」だけでなく「実際に支払える仕組み」を整えたい方に、現場の実務経験をもとにわかりやすくお伝えします。

中編:保険を活用した相続税納税資金の準備方法と実例

生命保険は相続税納付資金の“即時現金化ツール”

相続税の納税資金を確保する手段として、生命保険は非常に有効です。

理由はシンプルです。相続が発生した際、保険金は現金で一括受け取りが可能であり、銀行口座に入金されるまでのスピードも早いため、相続人が納税期限の10か月以内に現金を準備することが容易です。

名古屋市昭和区の山本さんのケースを例に考えてみましょう。

  • 自宅評価額:4,500万円

  • 賃貸不動産評価額:8,000万円

  • 現金:約500万円

  • 想定相続税:約1,500万円

現金500万円だけでは納税資金は不足します。この不足分を保険でカバーすることが現実的な解決策となります。


適した保険の種類と特徴

相続税納税資金に適した保険は、主に以下の2種類です。

  1. 一時払い終身保険

    • 一度だけ保険料を支払えば、その後は保険料不要

    • 死亡時にまとまった現金が受け取れる

    • 相続税非課税枠を利用すれば、節税効果も期待可能

  2. 相続対策保険(定期型または終身型)

    • 保険金額や期間を柔軟に設定可能

    • 相続発生時の保険金受取人を特定相続人に指定できる

    • 税理士や司法書士と組み合わせることで、納税資金と分割調整の両方に対応

保険選びのポイントは、相続税の見込額に合わせて受取額を設定することです。過剰な保険金は保険料の無駄になりますし、少なすぎると納税資金が不足します。


保険活用の具体的ステップ

  1. 現状資産の把握

    • 不動産評価額、預貯金、株式などを正確に算出

    • 名古屋市や愛知県内の相続税路線価、固定資産税評価額も確認

  2. 想定相続税の試算

    • 相続税率、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)を考慮

    • 専門家と相談し、納税資金の不足額を明確化

  3. 保険設計

    • 一時払い終身保険や相続対策保険を選択

    • 受取人を指定相続人に設定

    • 非課税枠(500万円×法定相続人)を最大限活用

  4. 契約・加入

    • 健康状態や年齢に応じた加入条件を確認

    • 保険料の支払負担が過大にならないよう調整

  5. 定期的な見直し

    • 不動産の評価額、金融資産の変動、相続税法改正に応じて保険内容を見直す

    • 家族構成の変更(子ども、孫の誕生など)にも対応


実例:現金不足を保険でカバーしたケース

名古屋市在住の山本さん(68歳)の場合、概算相続税は1,500万円でしたが、手元の現金は500万円のみ。

  • 解決策:一時払い終身保険で1,000万円を補填

  • 保険料:約800万円(一度払い)

  • 相続発生後:死亡保険金1,000万円を現金で受け取り、納税資金に充当

  • 結果:子どもたちは追加借入れなしで納税可能、遺産分割もスムーズに

このように、保険を活用することで不動産中心の資産構成でも現金不足のリスクを回避できます。


保険活用の注意点

  • 受取人指定の間違い:特定相続人を受取人に指定しないと、保険金も遺産分割の対象になる

  • 非課税枠の超過:法定相続人の数に応じた非課税枠を計算せずに設定すると、余分な税負担が発生

  • 複数の保険会社に分散:死亡リスクや会社倒産に備え、必要に応じて分散加入

保険は“万能”ではありません。相続税の納税資金と節税を同時に行うためには、税理士や司法書士との連携が必須です。

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