あいち相続ひろばの野々山です。
遺言書を作成する際、「遺留分」が気になり、どのように書けば子どもたちが争わずに済むのか不安に感じる方は少なくありません。特に、長男と長女の性格や生活環境が異なる場合、財産の分け方一つで揉め事につながることがあります。
本記事では、以下の内容を詳しく解説します:
遺留分トラブルを避けるための遺言書の書き方
法的に有効な遺言書の形式
遺言執行者の指定や特定財産の扱い方
司法書士が関与するメリットと注意点
この記事を読むことで、遺留分を踏まえた安全な遺言書作成のポイントが理解でき、名古屋市・愛知県在住の方でも実務的に活用できます。家族に不要な負担を残さず、安心して相続手続を進めたい方に最適な内容です。
相続の際、法定相続人には「遺留分」という最低限保証された相続分があります。
例えば、遺言で特定の子どもに全財産を渡すと記しても、他の子どもは法律上、自分の遺留分を請求できます。
遺留分の割合(民法)
配偶者:法定相続分の1/2
子ども:法定相続分の1/2
直系尊属(父母など):法定相続分の1/3
この制度を理解せずに遺言書を書いてしまうと、相続発生後に子ども同士で裁判や話し合いのトラブルが起こるリスクがあります。
遺言書にはいくつかの形式があります。名古屋市や愛知県で作成する場合、法的に有効な形式を選ぶことが大切です。
自筆証書遺言
全文を手書きで記載
日付・署名が必要
検認手続が必要で、遺言執行まで時間がかかる場合がある
公正証書遺言
公証役場で作成
証人2名が必要
法的効力が強く、遺言執行もスムーズ
秘密証書遺言
遺言内容を封書で提出
公証役場で形式のみ確認
内容は秘密にできるが手続きが煩雑
💡 ポイント
遺留分対策を考えるなら、公正証書遺言が最も安心です。名古屋市内でも公証役場は複数あり、事前相談を活用するのがおすすめです。
以下のような状況では、遺留分トラブルが発生しやすくなります。
特定の子どもや孫だけに財産を多く残す
生前贈与がある場合に、相続財産からの控除を考慮していない
不動産や事業用資産など現金化しづらい財産が多い
例えば、長男に自宅を丸ごと渡すと決めても、長女は遺留分請求として現金で取り戻そうとすることがあります。不動産は簡単に換価できないため、現金不足による争いのリスクが高まります。
遺言書で誰に財産の分配を任せるかも重要です。遺言執行者を指定しない場合、相続人同士で手続を進めることになり、揉め事が発生する可能性があります。
遺言執行者の役割
財産の目録作成
相続人への通知
預貯金・不動産の名義変更
遺言内容に沿った財産分配
司法書士や弁護士を遺言執行者に指定すると、法的に適正かつ公平に相続手続を進められるため、トラブル予防になります。
遺留分を正確に把握するには、財産目録を作成して計算することが必要です。
基本計算式
生前に贈与や生命保険の活用で調整する方法もあります。
贈与は相続時に持ち戻される可能性があるため、専門家と相談
生命保険は「みなし相続財産」として扱う場合がある
名古屋市内の司法書士や税理士と相談することで、贈与・遺言・保険を組み合わせたトータルな対策が可能です。
💡 前編まとめのポイント
遺留分は法律で保証された最低限の権利
公正証書遺言が最も安全
遺留分トラブルが起きやすいケースを理解する
遺言執行者を指定して手続きをスムーズに
生前対策を組み合わせて揉め事を防ぐ
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