あいち相続ひろばの野々山です。
近年、相続における借金や負債の問題に悩む方が増えています。特に、被相続人の財産に負債が含まれる場合、「相続放棄や限定承認で家族を守れるのか」と不安に感じる方も多いでしょう。名古屋市や愛知県内でも、手続きや期限を誤り、思わぬ負債を引き継いでしまうケースが少なくありません。
この記事では、相続放棄と限定承認の違い、それぞれの手続きの流れ、メリット・デメリットを図解で解説します。さらに、実務で注意すべきポイントや専門家に相談するタイミングも整理しました。
この記事を読むと、負債がある場合でも安心して相続手続きを進める方法が理解でき、名古屋市・愛知県内で信頼できる専門家に相談すべき目安も分かります。対象は、家族に負債を残さず、正しい相続手続を知りたい高齢の方やそのご家族です。
相続が発生した際、遺産の中に借金やローン、税金などの負債が含まれている場合、通常の相続を行うと財産と負債の両方を引き継ぐことになります。しかし、財産より負債のほうが大きい場合、相続人は思わぬ負担を抱えることになるため、法律では相続人を守るための制度として「相続放棄」と「限定承認」が定められています。
相続放棄とは、被相続人の財産だけでなく負債も含めて、一切相続しないことを家庭裁判所に申述する手続きです。
メリット:借金やローンなどの負債を引き継がずに済む
デメリット:財産も一切取得できない
期限:原則、相続開始を知った日から3か月以内に手続きを行う必要があります
名古屋市や愛知県内でも、この期限を過ぎると相続放棄は認められないため、早めの判断と手続きが重要です。
限定承認は、被相続人の財産の範囲内でのみ負債を引き継ぐ方法です。財産を超える負債を負うことはありません。
メリット:財産を取得しつつ、借金や負債は財産の範囲内で清算される
デメリット:手続きが複雑で、相続人全員の合意が必要
期限:相続放棄同様、相続開始を知った日から3か月以内
限定承認は、複数の不動産や預貯金、株式など資産が混在する場合に特に有効で、相続財産の把握が不十分な場合は注意が必要です。
相続人の確定:戸籍を取得して法定相続人を確認
相続財産の調査:預貯金、株式、不動産、負債の一覧を作成
家庭裁判所へ申述:名古屋市・愛知県の場合は管轄家庭裁判所で手続き
書類の提出:必要書類には戸籍謄本、申述書、印鑑など
審査・受理:家庭裁判所で内容を確認後、受理されると効力発生
期限厳守:相続放棄・限定承認ともに3か月ルールが厳格
手続き前に財産を処分しない:財産の処分や使い込みは効力に影響
専門家への相談推奨:特に限定承認は書類作成や財産評価に専門知識が必要
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