あいち相続ひろばの野々山です。
「春日井市は名古屋に近いから、相続税がかかりやすい街なのでは?」
最近、こうした不安を抱えて検索される方が増えています。実家は長年住み続けた戸建て一軒だけ。現金はそれほど多くないけれど、ニュースや知人の話を聞くと「うちも相続税の対象になるのでは」と心配になりますよね。
このコラムでは、「春日井市は本当に相続税がかかる街なのか?」という疑問に対して、地価水準や名古屋近郊特有の事情を踏まえながら、相続手続の実務目線でわかりやすく整理します。難しい税法の話は避け、数字や具体例を使って現実的な判断材料をお伝えします。
この記事を読むことで、
・春日井市で相続税がかかる人の目安
・自宅しか資産がない場合の考え方
・対策が「必要な人」と「まだ不要な人」の違い
が見えてきます。
「今すぐ何かしなければ」と焦っている方も、「とりあえず知識だけ知りたい」という方も、春日井市にお住まいの中高年世代の皆さまに、ぜひ読んでいただきたい内容です。
「春日井市は名古屋に近いから、相続税がかかりやすい」
こうしたイメージを持つ方は少なくありません。しかし、相続税がかかるかどうかは街のイメージではなく、相続財産の評価額と基礎控除額で決まります。まずは、この基本構造を整理することが、相続手続を考える第一歩です。
相続税は、すべての相続で必ず発生する税金ではありません。
課税の判断基準となるのが相続税の基礎控除です。
基礎控除額の計算式
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
例えば、
配偶者+子ども2人 → 法定相続人3人
基礎控除額:3,000万円+600万円×3人=4,800万円
相続財産の評価額合計が4,800万円以下であれば、相続税はかかりません。
春日井市であっても、この基礎控除の枠組みは名古屋市や愛知県内の他市町村と同じです。
春日井市は名古屋市のベッドタウンとして発展してきた地域です。
そのため、「地価が高い=相続税がかかる」と考えがちですが、ここには注意点があります。
相続税で使われる土地の評価は、
固定資産税評価額
路線価(相続税評価)
を基準に計算されます。
春日井市の一般的な住宅地では、
実勢価格(売買価格) > 路線価 > 固定資産税評価額
という関係になっているケースが多く、思っているほど相続税評価が高くならないことも珍しくありません。
特に、
高蔵寺ニュータウン
岩成台・藤山台などの団地エリア
区画整理から年数が経過した住宅地
では、土地の広さがあっても評価額が抑えられる傾向があります。
春日井市で相続相談を受けていると、よく見られるのが次のようなケースです。
財産の大半が自宅(土地・建物)
預貯金は葬儀費用+生活予備費程度
株式や投資信託などの金融資産は少ない
このような場合、相続税が問題になるかどうかは、
自宅の評価額が基礎控除を超えるかに集約されます。
実務上は、
「春日井市の戸建て1軒+預貯金少し」
という構成で、相続税がかからないケースは決して少なくありません。
不安の原因として多いのが、名古屋市との比較です。
名古屋市内の中心部では、
路線価が高い
小規模宅地等の特例を使わないと課税になる
といったケースが増えています。
この情報だけを見ると、
「名古屋に近い春日井市も危ないのでは?」
と感じてしまいますが、評価水準は別物です。
同じ愛知県内でも、
名古屋市中心部
名古屋市周辺部
春日井市の住宅地
では、相続税評価額に明確な差があります。
相続対策というと、
生前贈与
節税対策
を思い浮かべがちですが、実はその前にやるべきことがあります。
それは、
「そもそも相続税がかかるのかどうか」を整理することです。
この判断をせずに不安だけで動くと、
不要な対策費用がかかる
家族に余計な説明や心配をさせる
といった事態になりかねません。
相続や不動産・家族信託で
お困りの方お気軽にご相談ください。
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