LINE

メール

名古屋で相続と不動産のお悩みならあいち相続ひろば

わからないこと、お困りのことがございましたら、
お電話またはメールでお気軽にご相談ください。

新着情報

コラム
2025.9.3

商事信託と民事信託の違いとは?資産承継・事業承継で知るべきポイント③

商事信託と民事信託の違いとは?資産承継・事業承継で知るべきポイント③

あいち相続ひろばの野々山です。

資産を次世代に承継する際に「商事信託」と「民事信託」という言葉を耳にする方は多いでしょう。どちらの信託を選ぶべきか迷っている方も少なくありません。「会社株式や不動産をどのように管理・承継すべきか」「家族信託で対応できるのか、法人信託が適しているのか」などの疑問は非常に重要です。

この記事では、商事信託と民事信託の違いをわかりやすく解説し、活用事例や税務・リスク面の注意点も整理します。この記事を読むと、どちらの信託を選ぶべきか、専門家に相談すべきポイントまで理解できます。

特に、会社経営者・中小企業オーナー・資産運用者・不動産オーナーで、資産承継や事業承継を検討している方には必読の内容です。家族の公平性や資産保全を重視する方は、ぜひ最後までご覧ください。

後編:信託を活用する際のリスクと専門家相談の重要性

信託は資産承継や事業承継に有効な手段ですが、メリットだけでなくリスクや注意点も理解しておくことが重要です。特に、商事信託と民事信託では法的・税務的な扱いや管理の仕方が異なるため、専門家のサポートを受けることが成功の鍵となります。

信託活用の主なリスク

※契約内容の不備によるトラブル

・信託契約で受益者や分配ルールを曖昧にすると、家族間や相続人間で紛争が発生する可能性があります。

・例えば、民事信託で「長男は受益権を持つが、長女の分配について明記がない」場合、相続発生時に争いになることがあります。

※税務リスク

・信託設定による贈与税・相続税・所得税の課税関係を誤ると、想定外の税負担が発生する場合があります。

・商事信託の場合、法人受託者により分配が行われるため、受益者の所得税計算や法人税の扱いを専門家に確認する必要があります。

※受託者リスク

・商事信託では信託会社や銀行が受託者となりますが、万が一破綻や経営トラブルが発生した場合のリスクを理解しておくことが大切です。

・民事信託では個人受託者の管理能力や信頼性が重要であり、能力不足や不正行為による財産減少リスクがあります。

※資産流動性の制限

・信託財産は契約に基づき管理・運用されるため、自由に売却や移転ができない場合があります。

・特に民事信託で条件付き分配を設定すると、受益者が自由に財産を利用できない場面があります。

専門家に相談すべきポイント

信託契約を作成する際は、司法書士・税理士・弁護士・不動産コンサルタントなど、複数分野の専門家によるチームサポートが望ましいです。相談時には以下を確認すると安心です。

  • 契約設計の妥当性

    • 受託者・受益者・分配条件が法律上問題ないか

    • 家族間の公平性を確保できるか

  • 税務面の最適化

    • 贈与税・相続税の課税関係をシミュレーション

    • 節税対策が適法に行えるか

  • 運用・管理方法の明確化

    • 不動産や株式の管理体制、収益分配ルール

    • 修繕費や税金支払いの負担ルール

  • 事例や成功・失敗の共有

    • 他の経営者や不動産オーナーの活用事例を参考に設計

後編のポイント

後編では、信託活用に伴うリスクと専門家相談の重要性を整理しました。信託は柔軟かつ強力な資産承継手段ですが、契約設計の不備や税務リスクが家族間トラブルや資産損失につながることもあります。商事信託・民事信託のどちらを選ぶ場合でも、専門家に相談し、契約内容を慎重に設計することが重要です。

まとめ

商事信託と民事信託は、資産承継や事業承継において非常に有効な手段ですが、選択や契約設計を誤ると家族間トラブルや税務リスクが生じる可能性があります。商事信託は信託会社や銀行が受託者となり、大規模資産や法人運用に適しています。一方、民事信託は家族間で契約可能で、柔軟な分配設計や認知症対策に強みがあります。信託契約を作成する際は、受託者・受益者・分配ルールの明確化、税務面の確認、資産管理方法の具体化が重要です。専門家のアドバイスを受けることで、安心して資産を次世代に承継できる設計が可能になります。信託の活用を検討する方は、まず専門家に相談し、自分に最適な信託スキームを構築しましょう。

エンディングノートプレゼント

相続手続き・不動産のご相談初回相談無料

相続や不動産・家族信託で
お困りの方お気軽にご相談ください。