あいち相続ひろばの野々山です。
「相続税はどう対策すれば良いのか」「相続手続や申告は何から始めればよいのか」と悩んでいる方は多いでしょう。特に、実家や自宅の不動産、預貯金などの資産がある場合、適切な相続税額を把握し、申告や納税の手続きをスムーズに進めることは簡単ではありません。
本記事では、相続税の基本的な仕組みから、節税対策、控除の活用方法、専門家への相談のポイントまでを具体例を交えてわかりやすく解説します。記事を読むことで、初めて相続税に触れる方でも、計算や申告、節税方法の全体像を理解できます。
この記事は、名古屋市内に在住で資産を相続予定の50代~60代の方、特に初めて相続税を考える方を対象にしています。不安を解消し、安心して相続手続きを進めるための参考にしてください。
相続税は、被相続人(亡くなった方)の財産を相続する際に課される税金です。多くの方にとって初めての経験となるため、仕組みや計算方法が分からず不安になることが多いでしょう。ここでは、相続税の基本的な考え方と、計算方法を具体例とともにわかりやすく解説します。
相続税は、現金・預貯金・不動産・有価証券・生命保険金・退職金など、すべての相続財産を合算した額に対して課税されます。
不動産:土地や建物の時価評価
預貯金・現金:口座残高や手元現金
有価証券:株式や投資信託の時価
保険金・退職金:相続人が受け取る場合、一部非課税の特例あり
例:名古屋市内のマンション(3,000万円)、預貯金(2,000万円)、株式(500万円)を合算 → 課税対象財産は5,500万円。
相続税は「課税遺産総額 × 税率 – 控除額」という計算式で求めますが、計算の流れは以下の通りです。
課税対象財産の合計
不動産や預貯金、有価証券などすべての相続財産を評価し合計します。
基礎控除の適用
相続税には基礎控除があります。計算式は以下の通りです。
例:法定相続人が妻と子2人の場合 → 3,000万円 + (600万円 × 3) = 4,800万円
課税遺産総額の算出
課税対象財産の合計から基礎控除額を引きます。
例:課税財産5,500万円 – 基礎控除4,800万円 = 課税遺産700万円
法定相続分に応じた按分
課税遺産を法定相続分に従って分割し、各相続人の課税額を計算します。
相続税率の適用
各相続人に対して累進課税の税率(10%~55%)を適用します。
被相続人:父
相続人:妻(1人)、子ども2人(2人)
財産:自宅マンション3,000万円、預貯金2,000万円、株式500万円
財産合計 → 5,500万円
基礎控除 → 3,000万円 + 600万円×3 = 4,800万円
課税対象 → 5,500万円 – 4,800万円 = 700万円
法定相続分 → 妻1/2(350万円)、子ども各1/4(175万円ずつ)
税率適用 → 妻:10%、子:10%(課税額:妻35万円、子17.5万円ずつ)
この例では、課税額は比較的少額ですが、財産が多い場合は税額が大きくなるため、節税対策の検討が重要です。
不動産は購入額ではなく時価で評価される
生命保険金や退職金は一部非課税となる場合がある
相続財産の中に共有名義や借入金がある場合、正確に計算する必要がある
図解イメージ:
課税対象財産 → 合計 → 基礎控除 → 課税遺産総額 → 法定相続分 → 税率適用 → 各相続人の相続税額
これらのステップを理解することで、不安なく相続税の概算を把握することが可能になります。
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