あいち相続ひろばの野々山です。
長年暮らしてきた自宅は、家族にとっても思い出の詰まった場所です。しかし、将来的に相続が発生した場合、自宅を手放さなければならないのではないかと不安に感じる方も多いでしょう。特に、配偶者が高齢の場合、自分や夫婦が住み慣れた家に安心して暮らせる保証は重要です。
この記事では、配偶者居住権を活用した住まいの確保と相続対策について解説します。配偶者居住権の仕組みや活用方法、設定手続きの流れ、契約書作成のポイントまで、名古屋市・愛知県内の事例を交えてわかりやすく紹介します。
この記事を読むことで、以下のことがわかります。
配偶者居住権とは何か、誰が利用できるか
相続発生後も住み続ける方法とトラブル回避策
名古屋市内で相談できる専門家の活用法
対象読者は、夫婦で暮らす家の将来に不安がある高齢者や、配偶者居住権を使って安全に財産承継を行いたい方です。
あいち相続ひろばの野々山です。
配偶者居住権は、相続が発生した際に配偶者が住み慣れた自宅に住み続けられる権利を法的に保証する制度です。特に名古屋市や愛知県の高齢夫婦にとって、築年数の古い自宅や、家族と一緒に暮らす戸建てを手放さずに済むことは、生活の安定と安心に直結します。
配偶者居住権は、被相続人(亡くなった方)の所有する住宅に配偶者が無償で居住できる権利を指します。
居住権は終身または一定期間:死亡または契約期間終了まで住めます
所有権とは別の権利:自宅の所有者が子どもであっても、配偶者は住み続けられます
遺産分割に影響:居住権を評価額に反映して、他の財産との調整が可能です
例えば、夫婦で住む戸建て(評価額3,500万円)があった場合、配偶者居住権を設定することで、配偶者は終身で住み続けられます。所有権は子どもに承継されても、居住権の設定により追い出される心配がありません。
配偶者居住権の活用には、いくつかのメリットがあります。
住まいの安心確保
配偶者居住権を設定すると、自宅を手放すことなく、亡くなった後も住み続けられます。特に高齢夫婦や単身者にとって、住まいの安定は生活の基盤です。
遺産分割トラブルの回避
配偶者居住権を評価額に含めることで、残りの財産とのバランスを取りやすくなります。子ども間で「家をどう分けるか」の争いを避けられます。
相続税の負担軽減
配偶者居住権は評価額が所有権より低く計算されるため、相続税の対象となる財産が減ります。結果として、配偶者と子ども両方の税負担を抑えることが可能です。
柔軟な財産承継設計
配偶者が住み続けながら、子どもに所有権を承継させることができます。生前に話し合いを進めれば、家族全体の納得度が高い相続計画が作れます。
配偶者居住権を有効に活用するには、次の点に注意が必要です。
評価額の算定
自宅の時価や居住権の存続期間を基に、評価額を算定します。税理士と相談して適正な評価額を出すことが大切です。
契約書・登記の整備
配偶者居住権は登記することで第三者に対抗可能です。名古屋市内の司法書士に依頼すれば、安全に手続きを進められます。
遺言書との併用
遺言書に「配偶者居住権を設定する」と明記することで、相続人間のトラブルを避けやすくなります。
将来のライフプランとの調整
高齢夫婦の場合、介護や施設入所の可能性も考慮して権利設定を行うことが重要です。
配偶者居住権は、安心して住み続ける権利と財産承継のバランスを取るための有効な制度です。名古屋市や愛知県で相談できる司法書士や税理士の専門家と連携することで、手続きや評価を正しく行い、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。
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