コラム

2025.12.13

【相続手続のプロが解説】相続登記の義務化で「遺産分割協議書」が必須に！ 愛知県で増える“手続き途中”の不動産相続と正しい対処法③

あいち相続ひろばの野々山です。
「相続登記の義務化が始まったけれど、遺産分割協議書をどう作ればいいのか分からない」「名古屋や愛知県の実家を相続したまま数年放置していて不安」という声を、最近とても多く聞きます。相続人が複数いるケースでは、話し合いがまとまらないまま時間だけが過ぎ、気付けば“手続き途中の不動産”が放置されている状況も珍しくありません。

この記事では、**相続手続の中でも特に重要となる「遺産分割協議書の作成」**について、義務化との関係、不動産売却への影響、書類の作り方のポイントまでわかりやすく解説します。名古屋市や愛知県で相続を迎えた方が、実家・空き家・田畑など複数不動産を抱えていても、迷わず進められるよう具体的な例も交えてお伝えします。

特に、親が亡くなってから数年が経ち「そろそろ手続きを進めたい」と考えている方、兄弟姉妹との話し合いが進まず不安を抱えている方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

■後編：愛知県での相続手続をスムーズに進めるための実務対策

前編・中編では、相続登記の義務化に伴う遺産分割協議書の重要性や作成のポイントを解説しました。後編では、名古屋市や愛知県内で実際に相続手続を進める際のトラブル回避策と実務的な進め方を中心に解説します。

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■1．相続手続が滞る原因を把握する

愛知県内で相続手続が滞る主な原因は以下の通りです。

1. 相続人の把握不足

   • 兄弟姉妹が多く疎遠になっている

   • 遠方に住んでいるため連絡が取りにくい

   • 戸籍が複雑で代襲相続人を見落とす

2. 遺産分割協議書の不備

   • 不動産の表示を登記簿通りに記載していない

   • 相続人全員の署名・押印が揃っていない

   • 財産目録に漏れがある

3. 遠方不動産の管理負担の不明確さ

   • 固定資産税や管理費の負担者が不明

   • 空き家の維持や処分の方針が決まっていない

これらの原因は、手続きを開始する前に整理・把握することで大きく回避できます。

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■2．専門家に相談するメリット

遺産分割協議書や相続手続は、形式上のミスや記載漏れで再手続きになることが少なくありません。愛知県内では以下の理由から、司法書士や行政書士など専門家に相談するメリットが大きいです。

• 不動産や相続人の調査を効率的に行える

• 財産目録や協議書の書式を法務局基準に合わせられる

• 遠方の相続人との連絡調整や郵送手続きを代行可能

• 相続登記・売却手続までワンストップでサポート

特に、名古屋市や尾張地域、西三河などでは、土地や建物の数が多く、相続人間での意見の食い違いが起こりやすいため、専門家の介入でスムーズに進めるケースが増えています。

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■3．相続手続の効率化ポイント

遺産分割協議書を作成する際、以下の実務ポイントを押さえると、愛知県内でも効率的に手続きを進められます。

（1）戸籍・住民票の整理

相続人全員の戸籍謄本と住民票を取り揃え、相続関係説明図を作成します。これにより、誰が相続人であるか一目で確認でき、協議書作成や登記手続きでの不備を防止できます。

（2）財産調査と一覧化

不動産・金融資産・負債をすべてリスト化。特に不動産は登記簿情報を正確に記載し、土地・建物・農地など複数の財産がある場合は詳細なメモを添付します。

（3）協議書の作成と押印

相続人全員が署名・押印を行い、印鑑証明書を添付。遠方の相続人がいる場合は郵送で対応可能です。書式は法務局の要件に沿ったものを使用します。

（4）相続登記の同時進行

協議書完成後は、なるべく早く法務局へ提出し、名義変更を完了させることが重要です。これにより、固定資産税の負担者や売却可能状態の確定などもスムーズになります。

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■4．相続人間トラブルを未然に防ぐ工夫

相続手続で最も多いトラブルは、遺産分割の内容や負担の不明確さによる争いです。以下の方法で未然に防止できます。

• 協議前に専門家が間に入って公平に整理

• 財産ごとに取得者と管理者を明確に書面化

• 協議書作成後の変更や追加が必要な場合の手順を明記

• 遠方相続人も含め、全員が書面内容を確認して合意

特に、名古屋市内・愛知県西三河地域の空き家や田畑では、相続後の固定資産税や管理費の負担者を決めておかないと、後に兄弟間で争いになるケースが多く見られます。

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■5．遺産分割協議書作成の流れ（実務例）

以下は、愛知県内で相続手続をスムーズに進める場合の実務フローです。

1. 相続人の確定（戸籍・住民票で把握）

2. 財産調査（不動産・預貯金・負債の全体把握）

3. 相続関係説明図と財産目録の作成

4. 遺産分割協議書の作成（法務局基準に沿った形式）

5. 相続人全員の署名・押印、印鑑証明書の添付

6. 相続登記の申請

7. 名義変更後、必要に応じて不動産売却や金融資産の名義変更

この流れを一括で進めることで、名古屋市や愛知県内での複雑な相続手続も短期間で完了できます。

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■6．相続手続を早めに始めるメリット

相続登記義務化によって、手続きを先延ばしにすると罰則リスクがあるだけでなく、次のようなメリットも得られます。

• 不動産売却や活用が早く可能になる

• 固定資産税や管理費の負担を明確化できる

• 兄弟姉妹間での将来の争いを予防できる

• 相続人の疎遠による書類回収の手間を最小化できる

名古屋市や尾張地域、西三河にお住まいの方でも、早めに専門家と相談して遺産分割協議書を作成し、相続登記まで完了させることが理想です。

■まとめ

遺産分割協議書は、相続登記の義務化に対応するうえで欠かせない重要書類です。名古屋市や愛知県内では、相続人が多く、空き家や田畑など複数不動産を抱える家庭も少なくありません。遺産分割協議書を正確に作成し、全員の署名・押印と印鑑証明書を添付することで、相続手続がスムーズに進み、売却や管理、固定資産税の負担の明確化にもつながります。

まずは相続人の把握と財産の調査、協議書の作成を行い、できるだけ早く相続登記まで完了させることが重要です。不安や疑問がある場合は、司法書士や行政書士などの専門家に相談し、ワンストップで手続きを進めることで、家族間のトラブルを未然に防ぎ、次世代に迷惑をかけない相続を実現できます。