あいち相続ひろばの野々山です。
「春日井市は名古屋に近いから、相続税がかかりやすい街なのでは?」
最近、こうした不安を抱えて検索される方が増えています。実家は長年住み続けた戸建て一軒だけ。現金はそれほど多くないけれど、ニュースや知人の話を聞くと「うちも相続税の対象になるのでは」と心配になりますよね。
このコラムでは、「春日井市は本当に相続税がかかる街なのか?」という疑問に対して、地価水準や名古屋近郊特有の事情を踏まえながら、相続手続の実務目線でわかりやすく整理します。難しい税法の話は避け、数字や具体例を使って現実的な判断材料をお伝えします。
この記事を読むことで、
・春日井市で相続税がかかる人の目安
・自宅しか資産がない場合の考え方
・対策が「必要な人」と「まだ不要な人」の違い
が見えてきます。
「今すぐ何かしなければ」と焦っている方も、「とりあえず知識だけ知りたい」という方も、春日井市にお住まいの中高年世代の皆さまに、ぜひ読んでいただきたい内容です。
春日井市で相続税がかかるかどうかを判断するうえで、多くの方が勘違いしやすいのが**「土地と建物の評価の考え方」**です。
固定資産税の通知書を見て「思ったより評価額が高い」と感じ、不安が一気に大きくなるケースも少なくありません。しかし、相続手続で使われる評価額は、固定資産税の金額そのままではありません。
相続税の計算で使われる土地評価は、原則として路線価方式で行われます。
路線価とは、国税庁が毎年公表している「相続税・贈与税のための土地評価額」です。
ポイントは次の3点です。
路線価は実際の売買価格より低めに設定されている
固定資産税評価額とも一致しない
立地・形状・道路状況で大きく補正される
春日井市の住宅地では、
奥まった敷地
旗竿地
間口が狭い土地
といった条件が多く、評価額が下がる補正が適用されやすい傾向があります。
築30年以上の戸建て住宅の場合、建物の相続税評価は驚くほど低くなることがあります。
理由はシンプルです。
建物評価は固定資産税評価額がそのまま使用される
築年数が経過すると評価額は大きく下がる
春日井市では、
昭和〜平成初期に建てた住宅
建て替えや大規模リフォームをしていない家
が多く、建物評価が数百万円程度になるケースも珍しくありません。
相続税の判断では、
「家が古い=評価が高い」
ではなく、
「家が古い=評価が低い」
という逆の発想が重要になります。
春日井市の自宅相続で、相続税の有無を左右する最大のポイントが
小規模宅地等の特例です。
この特例が使えると、
自宅敷地の評価額が最大80%減額されます。
例えば、
土地評価額が4,000万円
小規模宅地等の特例適用後 → 800万円
この差は非常に大きく、
「特例を使えば非課税」「使えなければ課税」
という分かれ目になることもあります。
主な適用要件は、
被相続人が住んでいた自宅である
配偶者または同居親族が相続する
一定期間、居住を継続する
細かな条件はありますが、春日井市では該当する家庭が非常に多いのが実情です。
一方で、名古屋市に近い春日井市特有の注意点も存在します。
よくあるのが、
名古屋市内の相続事例を基準に考えてしまう
ネットの「相続税が増えている」という情報をそのまま当てはめる
しかし、相続税は地域ごとの評価水準で判断すべきものです。
名古屋市中心部と春日井市では、同じ土地面積でも評価額が大きく異なります。
また、
子どもがすでに独立している
同居要件を満たさない
といった場合、小規模宅地等の特例が使えない可能性もあります。
「名古屋に近いから安心」「名古屋に近いから危険」
どちらも正解ではありません。
春日井市の自宅相続では、
相続税がかからない
申告が不要
であっても、相続手続そのものは必ず発生します。
特に、
相続登記の義務化
共有名義を避ける判断
将来の売却や住み替え
といった点は、税金よりも後々の負担になることがあります。
相続や不動産・家族信託で
お困りの方お気軽にご相談ください。
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