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コラム
2026.1.31

親が亡くなった直後にやってはいけないこと①

親が亡くなった直後にやってはいけないこと①

親が亡くなった直後は、悲しみや戸惑いの中で、さまざまな判断を迫られる時期です。
「何から手をつければいいのかわからない」「とりあえず動いた方がいいのでは」
そう思って行動したことが、あとから相続トラブルの原因になってしまうケースは少なくありません。

実際の相続相談の現場では、
「良かれと思ってやったことが問題になった」
「そのとき誰かに聞いていれば防げたのに」
という声を、何度も耳にします。

この記事では、**親が亡くなった直後だからこそ“やってはいけないこと”**を、相続の実務に携わる司法書士の立場から解説します。


親が亡くなったら、相続はいつ始まるのか

相続は、親が亡くなったその瞬間から始まります。
役所への届出や葬儀が一段落してから…と思われがちですが、法律上は死亡と同時に相続が開始します。

この時点で、

  • 誰が相続人なのか

  • どんな財産・負債があるのか

  • 期限のある手続きは何か

を意識せずに行動してしまうと、後戻りできない状況になることもあります。

「まだ何もしなくていいだろう」
「家族で話せば何とかなる」

そう考えている間に、取り返しのつかない初動ミスが起きてしまうのです。


やってはいけないこと①:相続人同士で勝手に話をまとめてしまう

親が亡くなった直後、兄弟姉妹など相続人同士で
「とりあえず、こう分けようか」
「お母さんはこう言ってたよね」
と話が進むことはよくあります。

「仲がいいから大丈夫」が一番危ない

今は仲が良くても、相続はお金と不動産の話です。
いざ具体的な金額や不動産の名義が出てくると、考え方の違いが表面化します。

  • 言った・言わない

  • 聞いていない

  • そんなつもりじゃなかった

こうした食い違いが、後から大きな対立に発展します。

口約束は、原則として無効

相続では、正式な「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員が合意しなければなりません。
口頭での約束や、LINE・メモ書きだけでは、法的な効力はありません。

一度「話がまとまった」と思って動いてしまうと、
あとから誰かが意見を変えたとき、非常に厄介な状況になります。


やってはいけないこと②:預金を勝手に引き出す

親の死亡後、生活費や葬儀費用のために、
「少しだけなら…」と預金を引き出してしまうケースがあります。

「生活費だから大丈夫」という誤解

確かに、葬儀費用などに充てる事情は理解できます。
しかし、相続人全員の合意なく預金を引き出す行為は、トラブルのもとになります。

  • 使い込みだと疑われる

  • 特別受益として扱われる

  • 返還を求められる

といった問題に発展することもあります。

正しい預金の扱い方とは

本来、預金は相続財産として、
相続人全員で話し合ったうえで分配するものです。

どうしても急な支出がある場合でも、
事前に専門家へ相談してから動くことで、後のトラブルを防ぐことができます。


相続の初期段階で、最低限やるべきこと

「やってはいけないこと」を知ると同時に、
この段階で必ず意識してほしいポイントがあります。

相続人を正確に把握する

戸籍を確認しないまま
「相続人はこの人たちだろう」
と判断するのは危険です。

前婚の子がいた、養子がいた、認知している子がいた、
といったケースは珍しくありません。

財産の全体像を把握する

  • 不動産

  • 預貯金

  • 有価証券

  • 借金・保証債務

一部だけを見て判断すると、後から「知らなかった財産・負債」が見つかることがあります。

期限のある手続きを意識する

相続放棄や限定承認など、期限が決まっている手続きもあります。
「落ち着いてから考えよう」としているうちに、選択肢がなくなることもあります。


この段階で専門家に相談すべき理由

相続の初動ミスは、あとから修正することが非常に難しいです。
特に、家族関係が絡む問題ほど、感情が先行してしまいます。

専門家に相談することで、

  • 冷静な第三者の視点が入る

  • 法律的に正しい進め方がわかる

  • 無用な対立を避けられる

といったメリットがあります。

「相談=依頼」ではありません。
早めに相談した人ほど、相続がスムーズに進むのが実情です。


まとめ|相続で一番怖いのは「善意の行動」

親が亡くなった直後は、誰でも判断力が落ちます。
だからこそ、

  • 勝手に決めない

  • 勝手に使わない

  • 一人で抱え込まない

この3つを意識してほしいと思います。

相続で一番怖いのは、
「知らなかった」
「良かれと思ってやった」
その行動が、家族関係を壊してしまうことです。

次回の記事では、
不動産や相続登記を後回しにすることで起きる問題について、詳しく解説します。

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