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コラム
2026.2.11

名義変更していないと、相続はどう困る? 放置された不動産で実際に起きているトラブル

名義変更していないと、相続はどう困る? 放置された不動産で実際に起きているトラブル

「相続は終わったと思っていたのに、まだ手続きが残っていると言われました」
「親名義の家にそのまま住んでいますが、特に問題はないですよね?」

相続のご相談を受けていると、このようなお話を本当によく耳にします。
特に多いのが、不動産の名義変更(相続登記)をしていないケースです。

結論から言うと、
名義変更をしていない不動産は、時間が経つほど“動かせない不動産”になります。

この記事では、

  • なぜ名義変更をしないまま放置してしまうのか

  • 名義変更をしていないと、実際に何が困るのか

  • 放置した結果、どういうトラブルに発展するのか

を、司法書士の実務経験をもとに、分かりやすくお伝えします。


相続登記をしていない人は、実はかなり多い

「相続登記は義務だと知らなかった」
「住んでいるだけだから、名義は気にしていなかった」

こうした理由から、不動産の名義が亡くなった親のまま、
何年も、場合によっては何十年も放置されているケースは珍しくありません。

実際、

  • 実家にそのまま住み続けている

  • 売る予定も、建て替える予定もない

  • 兄弟間でも特にもめていない

こうした状況だと、「今すぐ困らない」ため、
名義変更は後回しにされがちです。

しかし、不動産の名義が故人のままという状態は、
法的には「相続が終わっていない状態」です。


名義変更していないと「できないこと」がたくさんある

では、不動産の名義変更をしていないと、具体的に何が困るのでしょうか。

① 不動産を売ることができない

最も多いのがこのケースです。
いざ売却しようとしたとき、名義が故人のままだと、原則として売却はできません。

売るためには、

  • 相続人を全員確定し

  • 遺産分割協議を行い

  • 相続登記を済ませる

という手続きを踏む必要があります。

「売りたい」と思ったその時点で、
過去の相続を一からやり直すことになるのです。


② 建て替え・解体・担保設定ができない

名義が自分でない不動産については、

  • 建て替え

  • 解体

  • 金融機関の担保設定

といった行為ができません。

特に最近は、
「古くなった実家を建て替えたい」
「空き家を解体して土地を活用したい」

と考えたときに、初めて名義の問題に直面する方が増えています。


③ 相続人が増えて、話がまとまらなくなる

名義変更を放置する最大のリスクは、相続人が増えることです。

たとえば、

  • 父が亡くなったが名義変更をしない

  • 数年後、母も亡くなる

  • さらにその後、兄弟の一人が亡くなる

こうなると、
当初は数人だった相続人が、
配偶者・子ども・孫へとどんどん増えていきます。

相続人が増えれば増えるほど、

  • 連絡が取れない人が出てくる

  • 考え方や価値観がバラバラになる

  • 遺産分割の話が進まない

といった問題が起こりやすくなります。


「争っていなくても」相続は止まる

よくある誤解が、
「もめていなければ大丈夫」という考えです。

しかし、相続手続きは
相続人全員の合意が前提になります。

たとえ誰も争っていなくても、

  • 1人でも連絡が取れない

  • 1人でも意思表示ができない

  • 1人でも協力してくれない

この状態になると、相続登記は進みません。

「仲が悪いわけじゃないのに、手続きが止まってしまった」
というケースは、実務では決して珍しくありません。


放置した結果、手続きが何倍も大変になることも

名義変更を先延ばしにすると、

  • 必要な戸籍の数が増える

  • 調査範囲が広がる

  • 手続き期間が長くなる

結果として、
費用も時間も、当初の何倍もかかることがあります。

「元気なうちにやっておけばよかった」
「親が亡くなった直後に動いていれば…」

これは、実際に多くのご相談者が口にされる言葉です。


今からでも、できることはある

ここまで読むと、不安に感じられるかもしれません。
ですが、名義変更をしていないからといって、
必ずしも手遅れというわけではありません。

大切なのは、

  • 今の名義は誰のままなのか

  • 相続人は誰になるのか

  • どこまで手続きが済んでいるのか

を整理することです。

状況によっては、

  • 比較的スムーズに相続登記ができるケース

  • 手順を工夫することで負担を減らせるケース

も多くあります。


名義変更は「今の家族」だけでなく「未来の家族」のため

不動産の名義変更は、
単なる事務手続きではありません。

それは、

  • 子ども世代に負担を残さないため

  • 家族関係をこじらせないため

  • 不動産を“使える財産”として残すため

の、大切な整理でもあります。

「今すぐ困っていないから」ではなく、
「今だからこそできること」として、
一度立ち止まって考えてみてください。


相続や名義変更でお悩みの方へ

状況は、ご家庭ごとにまったく異なります。
だからこそ、ネットの情報だけで判断せず、
一度専門家に相談してみることをおすすめします。

「これって、もう遅いですか?」
そんな一言からでも構いません。

相続は、
早く動いた人ほど、選択肢が多く残る手続きです。

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