あいち相続広場の野々山です。
親が亡くなったあとに相続問題が発生するのは、多くのご家庭でよくある話です。
とくに「不動産は欲しいけど、借金まで引き継ぎたくない」といったお悩みは非常に多く、悩んでインターネットで情報を探している方も多いのではないでしょうか。
実際、「相続放棄 不動産 もらえない?」「限定承認 メリット デメリット」などのキーワードで検索する方の多くが、父親名義の実家を相続するかどうか悩んでいます。財産調査の方法もわからず、「このままだと兄弟と揉めるのでは…」と不安になる方もいらっしゃいます。
この記事では、相続放棄・限定承認・単純承認の違いを整理し、どの選択が最も自分の家族に合っているかを丁寧に解説していきます。
この記事を読むと、以下のことがわかります。
相続放棄と限定承認の違いと選び方
借金がある場合でも不動産を残す方法
相続で兄弟間トラブルを防ぐためのポイント
相続財産を安全に調査・評価する手順
特に以下のような方は、ぜひ最後までお読みください!
父親が亡くなり、実家の相続について悩んでいる方
不動産は引き継ぎたいが、借金まで背負いたくない方
相続放棄を考えているが、他の財産が気になる方
兄弟間で意見が合わず、不安を抱えている方
【前編】相続放棄・限定承認・単純承認とは?まずは仕組みを理解しよう
■ 相続放棄とは?「すべてを放棄する」覚悟のある選択
相続放棄とは、被相続人(亡くなった親)のプラスの財産もマイナスの財産(借金など)も、すべて相続しないと決める手続きです。
● 相続放棄の基本情報
内容 詳細
申請先 家庭裁判所(被相続人の住所地)
期限 被相続人の死亡を知った日から3か月以内
必要書類 戸籍謄本、相続放棄申述書、被相続人の住民票など
● こんなケースに使える
借金や住宅ローンが多く、資産を超えている
不動産があっても、価値が低く売却困難
相続人間で一切関わりたくない事情がある
● 注意点
相続放棄をすると、「実家の不動産」や「預貯金」などのプラスの財産も一切相続できなくなるので要注意です。
■ 単純承認とは?よくある“自動的相続”の落とし穴
単純承認とは、相続財産をそのまま引き継ぐこと。明示的に「相続します」と言わなくても、以下のような行為で自動的に承認したとみなされることがあります。
● 単純承認とみなされる行動
不動産の名義変更をした
預金を引き出して使った
遺品整理業者に依頼した
こうした行動を取ってしまうと、「借金も含めてすべて相続した」扱いになり、後から放棄や限定承認はできません。
■ 限定承認とは?実家を守りつつ、借金からも守る選択
限定承認は、相続によって得たプラスの財産の範囲内で、マイナスの財産を返済する制度です。
● 限定承認の特徴
自分の財産から返済義務を負わない
不動産などを残せる可能性がある
相続人全員の同意が必要
● 申請条件と注意点
内容 詳細
申請期限 相続開始を知ってから3か月以内
同意要件 相続人全員の同意が必要
手続き 財産の評価、債務整理、公告など複雑
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