あいち相続広場の野々山です。
「信託の委託者とは誰のことか?」「委託者を法人にできるのか?」といった疑問をお持ちではありませんか。特に不動産オーナーや資産管理会社の設立を検討される方にとって、委託者の役割や権限を正しく理解することは、相続対策・資産承継に直結する重要なポイントです。
この記事では、信託における委託者の基礎から、法人を委託者にする場合の実務的なメリットとデメリット、さらに委託者が持ち続けられる権限や注意点まで、幅広く解説します。特に、名古屋市中心部で賃貸マンションを複数所有し、資産管理会社の設立を検討している不動産オーナーの方にとって実践的な内容となるよう構成しました。
読み終えるころには「委託者についての疑問が解決し、自分の資産承継にどう活用できるか」が明確にイメージできるはずです。相続や事業承継を真剣に考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
結論から言えば、法人も委託者になることが可能です。信託法において、委託者は「信託を設定する者」と定義されており、自然人に限定されていません。そのため、資産管理会社など法人を委託者とすることができます。
ただし、法人が委託者となる場合、契約の目的や税務処理が複雑になるため、専門家による設計が不可欠です。
資産管理会社を委託者とすることで、以下のメリットが期待できます。
資産承継の効率化
法人が保有する不動産を信託化することで、株式の承継と切り分けて柔軟な設計が可能になります。
資産管理の一元化
個人と法人の資産を整理し、法人を窓口として信託を設定することで、管理体制が明確になります。
相続発生時の円滑化
信託契約により承継のルールを決めておけば、遺産分割協議を経ることなくスムーズに承継できます。
一方で、以下のようなデメリットも存在します。
法人税や消費税の課税関係が複雑化する
信託が形式だけで実態が伴わない場合、税務上否認される可能性がある
管理コストが増える(顧問料、信託登記費用など)
名古屋市のように不動産価値が高いエリアでは、信託契約の設計を誤ると多額の課税リスクを抱えることになります。
名古屋市中心部で賃貸マンション5棟を所有するオーナーが資産管理会社を設立し、その会社を委託者として信託を設定したケースを考えます。
状況:オーナーは58歳、金融資産1億円以上。子の一人が会社に関与。
目的:資産を効率的に承継しつつ、自身の生活資金も確保したい。
設計:法人を委託者とし、受託者を信頼できる親族に設定。受益者はオーナー本人と子。
この設計により、法人財産の一部を信託化し、承継のルールを事前に決めることが可能になります。
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